津田眞弓 研究分担者(慶應大学経済学部)

・狂歌摺物・江戸戯作におけるパトロンの存在について考察中.
・19世紀前半の大名の狂歌活動に注目,鹿都部真顔門下の江戸廼 
 花也(長州藩主毛利斉元)の狂歌集作成に向け,各種資料の収  
 集,翻刻を行っている.同門の大名狂歌師である繊月亭嶋人
 (人吉藩主相良頼徳)の狂歌資料を調査し,両者の個々の活動
 には関連性がないことを確認した. 関連HP
・紅摺の疱瘡絵本で一番長く読まれた十返舎一九の『疱瘡請合軽口噺』を起点に,疱瘡絵本が出版される事情を考察.本作天保期の再板や,為永春水の二種の疱瘡絵本の刊行が,半田稲荷の出開帳やその社屋再建に関わっていることを明らかにした.
・人々の知として共有され複雑な成立過程・派生をする『浮世絵類考』について調査,その一環として,同書と式亭三馬『稗史億説年代記』の関わりを明らかにした.

発表資料

『疱瘡請合軽口噺』東京大学蔵
『稗史億説年代記』国会図書館蔵

論文

・津田眞弓「『疱瘡除』と『寿福請取帳』翻刻と解題――病気見舞い本における疱瘡神と麻疹神」,『斯道文庫論集』57 ,慶應義塾大学附属研究所斯道文庫,pp. 405-433, 2023年2月.
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00106199-20220000-0405

・津田眞弓,「式亭三馬『稗史億説年代記』と『浮世絵類考』」,『日本文学』71 (7),pp. 2-13,日本文学協会,2022年7月.

口頭発表

・「Smallpox Illustrated Books and Their Publication : What We Can Learn From Jippensha Ikku’s Karukuchibanashi」(疱瘡絵本が出版される時――十返舎一九『軽口噺』の再版から考える可能性) ,国際会議「Healing the People: Popularizing and Printing Medicine in Edo Japan」,於ライデン大学,2022年5月.

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